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正朔ー舞踏 SEISAKU-BUTOH DANCE

舞踏馬鹿の独り言

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舞踏への願い

私が舞踏を行うにあたってあるいは他者を指導するにあたって
切に願うのは個人の意識にその体が縛られない事です。

一つの意識が考えて考えて考えて動きや在り方が決まってくるのでは無く
解って確認できてから決まってくるのでは無く
それはやってくるものなんです、襲ってくるものなんです、

むしろ既にやって来ているものなんです、

いつまで待ってもやって来ないと言う人がいますが
意識という防御壁の中にいればそれはやって来ないでしょう

意識は無いと念じ続けるのでは無く
無垢な体が知覚する事に忙しければ良い

時空を越えた意味でのこの世に体がそっと置かれ
様々な関係性という糸に引かれ続けその身が解体され
様々な材質の空間の流れに翻弄され漂い拡がり
すっかり呆けてしまった体に
森羅万象の姿が写し出されて来る
あるいは成る、

そこに意識が介在する余地は無いのです、

無垢で呆けた鋭敏な体が有れば良い

人間は一人ぼっちにはなれないんです
物を始めた時にはもう既に終わりに着いている

その失った間地平線を取り戻すのが舞踏なんです

あらゆる対立した要素を砕いていく

成すという事は既に成されているという事

抱くという事は既に抱きしめられているように抱きしめる

扉を開くという事は体が開かれるようにして開いていく

花を見つめると花に見つめられていて既に自分自身が花になっている

体の内部は外部であり外部は内部である

ぞっとするほど正確なだらしなさを的確にする

阿呆の真似を漫然とはしない

カオスをありがたがり過ぎて捕らわれ過ぎるな
 
少し距離を置いて見つめた方が良い、
 
妄想と正気は紙一重なのだ

そんな事をしているうちに
既にはっきりした体の輪郭への意識など消えてしまっています、

空間に滲み出た変幻自在な体
それを舞踏体と呼びます、
そう在りたい、
他者にもそう在って欲しいと切に願います。

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