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正朔ー舞踏 SEISAKU-BUTOH DANCE

舞踏馬鹿の独り言

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「帰ル」の為の文章Ⅰ

何もかも忘れてしまい
すっかり呆け切ってしまった瞬間
涙が止まらなくなる事が有る、
何故なのか、何が起きたというのだろう
とめどもなく
静かに静かに止まらないのだ、
帰りたい
何処へ
帰りたい、
愛し続けた人達への軌跡か、
愛され続けた人達の抱擁の記憶へか、
積み重ね続けられた営みへの執着か、
解らなくなる、
肉体の中への梯子を駆け下り落下、
溶け崩れ染みわたり腐敗化して立ち上がる、
生きる事に帰りたい、
未来を切り開く事に
静かに営み続ける事に帰りたい、
寄せては返す波の彼方、水平線の彼方、
黄金色に輝く没陽と共に去り朝陽と共に生み出される
その私達の故郷、
(其処は深く佇む所に在る、
深く深く佇む所に在る、
更に深く佇む所に
やっと手が触れ合い
手に引かれ更に溶け込まれる所に、
私達はけして一人ではないのだ、
私達が生み出された所
私達が帰り逝く所、)
死とは再生の始まりなのだ、
裸の精子として、裸の卵子として、
私達はこの瞬間に立たされています、
帰りましょう、
無垢な身体として
無垢な粒子として
震えているこの大地を
そっと抱きしめてあげましょう。



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