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正朔ー舞踏 SEISAKU-BUTOH DANCE

舞踏馬鹿の独り言

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「帰ル」シーン

1景、
    災いは突然やって来る、いく重にも重層された刃は浴びせかけるように蹂躙を重ねる。
2景、
    放置された抜け殻、波間に死体は揺れ動く、抜け殻はその魂を求め旅に出る。
3景、
    振り落とされた命の欠片、壊れ物としてのわずかな命が産声をあげる。
4景、
    欠落した命と命の出会い。それらは仲の良い者では無い。しかし、求め合い、せめぎあい、別れる事が常なのか。
5景、
    命とは一人では生きられない生き物だ。欠落感によってのみ漂う事も有るだろう。餓鬼、愛を求め喰らい続ける餓鬼。
6景、
    慈しみの中に無垢な魂として戯れる童子、「お父さんは死んじゃったの」と童子は聞く。「いや 死んだのはお前の方なんだよ。私の事など忘れ、あちらの世界で幸福におなり。」
7景、
    愛する者を失い、残骸として生きる命。どこへ行ってしまったんだろう私の命は、体の残骸すらも風に巻かれて消えていく。
8景、
    全ては無に帰したのだろうか。いや闇の中にも光りや命が存在する。呟き、囁き、この世が終わったとしても命の粒子が消える事は無いのだ。
9景、
    繰り返される亡霊の生活の痕跡、それらを抱き支えるこの世、この世に災いは繰り返されるが、命はその度に活性化される。それは極めて初源的な生きる事への動機の実証なのだ。
10景、
    死してもこの世へ旅立つ事は繰り返される、崩壊とは再生の始まりなのだ。帰ろう、新たなる旅立ちへ。帰ろう、新たなる誕生へ。帰ろう、新たなる希望の大地へ。生きる事こそ、私達の真っ当なる性なのだ。

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