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正朔ー舞踏 SEISAKU-BUTOH DANCE

舞踏馬鹿の独り言

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2004年 廃人倶楽部3「黒い風」チラシ用文章

風化した体に罅が入り
捉えきれぬ肉塊が私から瓦解していく
黒く砂を孕んだ霧が風に巻かれ、
私の崩れた体を喰らっては渦を巻いて
彷徨していく。
先生は有るの逆は有らないだと言った。
じゃ、無いとは、
全てが無かったという事なのか、
磔になり、引き回され、翻弄されるこの体も
全て無かったのなら
懸命に生きる者が愛しい
苦しむ者や思いやりの心が愛しい
掛け替えの無い物が愛しい
そもそも無かったのか、全てが無かったのか
触れる事が、見つめる事が、抱きしめ愛おしく
思う事が、
罅に抉られ、
重力に瓦解し、
黒い風に巻き流され、
無を喰らい続ける無が舞泳ぐ
暗い海の果てへと
引き込まれてゆく。

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