舞踏馬鹿の独り言
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悲しみの蒼空を背景に、
一人孤独に立つ精子は、
紅くちぎれそうなあふれる思いを、
静かに、静かに、
微笑み返す。
一本の草に成る、
根っこから水分を吸い上げ
伸びていく草と成る、
その伸びゆく先を確実にとる。
頭の中で念じるのではなく、
体をそれらしく形づくるのでもなく、
それらしく動かすのでもなく、
ただ一本の草になりきる。
余計な事は一切しない、
一本の草の形が誕生する。
でも、ものの三秒ももたない、
どうしたら良い、
又誕生させる、繰り返し誕生させる、
延々と誕生させる、
持続すればする程強い力が必要になる、
りきむのでは無い、
湧きおこる不安や混沌を一粒も漏らさない為に、
漏らさない事によって、
それらは形のエネルギーとなる。
何物かの形が誕生、持続する時、
いつも思うのは、
その中に不安、混沌、錯乱などが内包されていないと
形はたんなる形になってしまうという事、
できてると思うような形は終わってしまった形で
最初から何もできてはいなかったという事なのだ。
人は何故、
何事にも筋道、結論、意味、正しい方法などの
記号的な事を、
まず目的として知りたがるのでしょう。
私は霧の中に見え隠れする、
先行く人々の影に包まれ、
何故ここに立っているのか、
何処へ向かおうとしているのかも知らず、
考えようとする脳の中にも霧が流れ、
呆けきってしまおうとしたら、
いきなりゴツゴツとした枝が突き刺さりそうになったり、
沼の中をさ迷い疲れたり、
盲目の赤子が足にしがみついてきて、
濡れた布の亡霊がかぶさってきたり、
霧にも濃淡、臭い、色、味があるんだなー、
始められないよ、
何も始められないよ、
迷ってばかりだ、
でもすっかり始まりまくっている。
今この瞬間
何かが確実に私の中で誕生しかかっている、
舞踏なのかな、
分からない、
すっかり霧の中だ。
生きる事に手が届かない
遠くそれを見つめ指一つ動かない。
降り注ぐ満天の星を身に浴び
虫の声を聞きながら草の匂いを嗅ぎ
遠く人家の明りに赤肌の声を叫ぶ、
月の姿の中に窓が開かれ、
小学館のマークの様に
少年少女が向かい合って本を読んでいる。
何故まっとうに生きる事が
出来なかったのだろう。
人間はね、残念ながら死ねないんですよ、
先生、そんな事言ったって
先生、死んじゃったじゃないですか
オイ、踊れよ、踊れっ、
踊るしかないじゃないか、
踊れ、踊れ、踊るんだ、
先生、先生、今でも先生の事大好きです。
ずっとずっと大好きです。
【2002年廃人倶楽部2遠き彼方遥か彼方からの声】用文章